女性行政書士BLOG
湯口行政書士事務所

叔母が亡くなっていた――“兄弟姉妹だけの相続”で、何から始めればいいかわからなかった事例

「叔母が亡くなっていたんです。でも、何も分からなくて…」

50代の女性が、ご相談に来られました。

少し戸惑ったような表情で、
最初にこうお話しくださいました。

「叔母が亡くなっていたことを、後から知ったんです」

叔母様は、依頼主のお父様の妹にあたる方でした。


配偶者も子どももいない、“おひとりさま”の相続

叔母様には、

・配偶者なし
・お子様なし
・ご両親もすでに他界

という状況でした。

いわゆる「おひとりさま」の相続です。

さらに、叔母様には4人のご兄弟がいらっしゃいましたが、皆さま既に他界されていました。


「兄弟姉妹だけの相続」は、想像以上に複雑になることがある

相続では、

・配偶者
・子ども
・両親

がいない場合、
兄弟姉妹が相続人になります。

ただ今回のケースでは、
兄弟姉妹もすでに亡くなっていたため、
その子どもたち――つまり甥姪が、
代襲相続人として相続人になる状況でした。

依頼主様も、

「もう何年も連絡を取っていないいとこもいます」
「どこに住んでいるのか分からない人もいて…」

と、不安そうに話されていました。


「何から始めればいいのか分からない」

さらに大きな問題は、
叔母様の財産状況がまったく分からないことでした。

・どこの銀行を使っていたのか
・不動産はあるのか
・借金はないのか
・通帳や書類は残っているのか

突然の相続では、
「相続人が誰か」以前に、
全体像そのものが見えないケースも少なくありません。

依頼主様は、

「何から手をつければいいのか、本当に分からなくて…」

とおっしゃっていました。


まず行うのは「親族関係の整理」

今回、まず最初に行ったのは、
戸籍をたどりながら親族関係を確認する作業でした。

兄弟姉妹相続では、出生から死亡までの戸籍収集や、代襲相続の有無の確認など、通常の相続より調査範囲が広くなることがあります。

特に、
代襲相続が発生している場合は、
「誰が正式な相続人なのか」を正確に整理することが重要です。


「法定相続情報一覧図」を作成し、全体像を“見える化”

相続人の調査と並行して、
法定相続情報一覧図の作成も進めました。

法定相続情報一覧図とは、
戸籍の内容をもとに、
相続関係を一覧で整理した公的な証明書類です。

これを作成することで、

・金融機関での手続き
・相続人確認
・不動産手続き

などがスムーズになります。

何より、
複雑になっていた親族関係が整理され、
依頼主様ご自身も状況を把握しやすくなっていきました。


疎遠な親族への連絡も、慎重に進める

今回のケースでは、
長年連絡を取っていない親族も含まれていました。

突然、
見知らぬ親族から相続の話が届けば、
警戒されることもあります。

そのため、
事情を丁寧に説明した書簡を作成し、
ご協力いただけるよう、一つひとつ慎重に進めていきました。

相続は、
法律だけでは進みません。

相手の感情や距離感に配慮しながら、
“話を整えていくこと”も、とても大切です。


「専門家に相談して、ようやく整理できました」

依頼主様は、
ご相談当初、

「自分では到底無理だったと思います」

とおっしゃっていました。

兄弟姉妹のみの相続や、
甥姪への代襲相続は、
一般的な相続よりも複雑になることがあります。

だからこそ、

・相続人調査
・戸籍収集
・財産調査
・書類作成
・親族への連絡

を、順番に整理しながら進めていくことが大切です。


「おひとりさま」の相続で困るケースは増えています

近年、

・子どもがいない
・配偶者がいない
・兄弟姉妹も高齢化している

という「おひとりさま」の相続は増えています。

その結果、

・相続人が多くなる
・甥姪が相続人になる
・親族関係が複雑になる

ケースも少なくありません。


同じようなお悩みをお持ちの方へ

○叔父・叔母の相続で困っている

○甥姪が相続人になるケースが分からない

○疎遠な親族がいて進められない

○相続人調査をどこから始めればいいか分からない

○相続手続きを一人で抱えるのが不安

そんな時は、
どうぞ一度ご相談ください。

当事務所では、
単に書類を作るだけではなく、
複雑になった相続関係を整理し、
“今、何をすべきか”を一緒に確認しながら進めています。

「何から始めればいいか分からない」
そんな状態からでも、
一つずつ整理していくことはできます。

(2026年5月20日)



『遠方で暮らす高齢の母が心配…』〜“まだ元気”なうちに始めた家族信託という備え〜

「母に何かあった時、自分はすぐ動けるのだろうか」

首都圏にお住まいの60代の女性が、ご相談に来られました。

お母様は遠方で一人暮らし。
今のところ日常生活に大きな問題はないものの、年齢を重ねるにつれ、不安が少しずつ大きくなってきたそうです。

「最近、同じ話を繰り返すことが増えてきて…」
「もし認知症になったら、どうなるんだろうと思って」

離れて暮らしているからこそ、
小さな変化にも敏感になります。


遠距離介護への不安と、“もしも”の現実

依頼主様が特に不安に感じていたのは、

・認知症になった場合の財産管理
・振り込め詐欺や高額契約トラブル
・突然の施設入居
・遠方への頻繁な移動負担

でした。

もし急に施設入居が必要になれば、

・契約手続き
・入居費用の支払い
・自宅の管理
・銀行対応

などを、娘様が仕事を休みながら対応しなければならなくなる可能性があります。

「母のために動きたい気持ちはあるんです。でも、現実的に全部を一人で抱えられるのか不安で…」

そう話されていました。


「まだ元気な今だからこそできる準備があります」

そこで私からご提案したのが、家族信託でした。

家族信託とは、
将来、認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、
あらかじめ信頼できる家族へ財産管理を託しておく仕組みです。

「認知症になったら、娘でも自由に預金を動かせないんですか?」

そう驚かれる方は少なくありません。

実際、判断能力が低下すると、

・銀行口座が実質的に動かせなくなる
・不動産売却が難しくなる
・施設入居費用の準備に時間がかかる

といった問題が起こることがあります。


家族信託で“将来の困りごと”を減らす

今回のケースでは、

・将来の財産管理
・施設費用への備え
・必要になった際の不動産対応

などを見据えて、家族信託をご提案しました。

家族信託を利用することで、
将来、お母様の判断能力が低下した場合でも、

・預貯金の管理
・必要な支払い
・介護や施設に関する費用対応

を、あらかじめ決めたご家族が進めやすくなります。

「何か起きてから慌てる」のではなく、
“動けるうちに仕組みを整えておく”ことが大切なのです。


「家族だけでは難しい」と感じることもある

家族信託は、
単に契約書を作れば終わり、というものではありません。

・誰を受託者にするのか
・どこまで管理権限を持たせるのか
・将来の介護や施設入居をどう考えるか

ご家族ごとに状況が違うため、
丁寧に整理しながら設計していく必要があります。

今回のご相談でも、
娘様は何度もこうおっしゃっていました。

「まだ元気な母に、どう切り出せばいいのか悩んでいて…」

家族だからこそ、
お金や老後の話は難しいものです。

だからこそ、
第三者である専門家が間に入ることで、
落ち着いて話を進められるケースも少なくありません。


「相談できる場所があるだけで安心しました」

ご相談後、依頼主様はこんな言葉をくださいました。

「今すぐ何かが起きるわけじゃないけれど、準備できることが分かって安心しました」

家族信託は、
“財産を動かすためだけの制度”ではありません。

遠方で暮らす親を想うご家族が、
将来への不安を少し減らすための備えでもあります。


遠方に住む親御様が心配な方へ

○高齢の親が一人暮らしをしている

○認知症への備えを考えたい

○将来の施設費用が不安

○遠距離介護に限界を感じている

○親のお金の管理をどうすべきか悩んでいる

そんなお気持ちがある方は、
どうぞ一度ご相談ください。

当事務所では、
制度の説明だけでなく、
ご家族の距離感や生活状況も踏まえながら、
“現実的に続けられる備え方”を一緒に考えています。

「まだ早いかな」と思う時期こそ、
実は一番準備しやすいタイミングなのかもしれません。

(2026年5月20日)



『私がいなくなったあと、この子は…』〜 親なきあと問題に向き合った82歳母の選択〜

「私がいなくなったあと、この子はどうなるのでしょうか」

82歳の女性が、静かにそう切り出されました。
その声には、不安と同時に、覚悟のようなものが感じられました。

ご相談の中心は、ご自身のことではありません。
57歳になる息子さん(Aさん)の将来についてでした。

「この子のことを考えると、夜、眠れなくなるんです」


軽い知的障害と強迫性障害を抱える息子さん

Aさんには、軽い知的障害と強迫性障害があります。

これまで一般企業に就職された経験もありましたが、
現在はグループホームに入所しながら、
B型就労支援施設で働いておられました。

すでに生活保護を受給されており、
日常生活は、福祉制度や支援者の力を借りて成り立っている状況です。


「今の生活が、ずっと続くとは限らない」

お母様が特に心配されていたのは、
この先、環境が変わったときのことでした。

・体調を崩して入院することになったら
・病院の都合で、グループホームを退去しなければならなくなったら
・手続きやお金の管理を、本人だけでできるのか

「そのとき、誰がこの子を守ってくれるんでしょうか」


頼れる親族がいないという現実

Aさんには兄弟が一人いましたが、すでに他界されています。

義理の娘やお孫さんもいらっしゃいますが、
関係性や距離を考えると、
将来を託すのは現実的ではありませんでした。

お母様は、こうおっしゃいました。

「誰かに迷惑をかけたいわけじゃないんです」
「ただ、この子が困らないようにしておきたいだけなんです」


「親なきあと問題」は、今から備えることができます

お話をじっくり伺ったうえで、
私からご提案したのが、成年後見制度の中の『補助人』という関わり方でした。

・財産管理や行政手続きのサポート
・福祉サービス利用時の調整
・入院や環境変化があった場合の対応
・将来の住まいや生活に関する判断支援

日常に近い部分から、継続的に支えていく体制です。


補助人は「必ず選ばれる」わけではありません

なお、成年後見制度における補助人は、
申立書において「候補者」として名前を記載することはできますが、
最終的に誰が選任されるかは家庭裁判所の判断となります。

そのため、相談した専門家が、
必ず補助人に選ばれるとは限りません。

今回は、Aさんの生活状況や、
継続的な支援が必要であることなどを踏まえ、
裁判所の判断により、結果として私が補助人に選任されることになりました。


さらに、お母様ご自身の「任意後見」も

あわせて、お母様ご自身についても、
任意後見契約を結ぶことになりました。

「自分の判断力が落ちたとき、
この子のことで迷惑をかけたくない」

その想いから、
ご自身の終活と、息子さんの将来対策を同時に整えることを選ばれました。


「一人で抱え込まなくてよかった」

手続きが一段落したあと、
お母様は少し表情を緩めて、こうおっしゃいました。

「全部、自分で何とかしなきゃいけないと思っていました」
「でも、誰かと一緒に考えていいんですね」

長年背負ってこられた重荷が、
少し下りた瞬間だったように感じました。


親なきあと問題は「親が元気なうち」にしか備えられません

親なきあと問題は、
備えられる時間に限りがあります。

・親が元気なうちだからこそ、選択肢がある
・本人の状態が安定している今だからこそ、準備ができる

そうした「今だからできること」を、
一つずつ形にしていくことが大切です。


同じような不安を抱えている方へ

○障害のある子の将来が心配

○親族に頼れない事情がある

○親なきあと問題を考え始めたが、何から手をつけていいか分からない

○自分の終活も含めて、まとめて相談したい

その不安は、決して特別なものではありません。

当事務所では、制度の説明だけでなく、
ご家族の状況やお気持ちに寄り添いながら、現実的な選択肢をご提案しています。

「相談してよかった」
そう思っていただける関わりを、これからも大切にしていきます。

(2026年2月4日)



母が元気な今だから決断できた“家族信託”という選択 〜将来の介護と自宅売却に備えた60代ご夫婦の事例〜

「この先、何かあってからでは遅いと思ったんです」

ご相談に来られたのは、50代のご夫婦でした。
少し疲れた表情の奥に、「今のうちに何かしておかなければ」という切実な思いが感じられました。

数か月前、ご主人のお父様が87歳で亡くなられたばかり。
長年連れ添った奥様(85歳)は、大きな喪失感の中で一人暮らしを続けておられます。

「今は元気なんですが、年齢を考えると……」
そう言って言葉を切られたご主人の表情が、とても印象的でした。


親の判断能力が低下したとき、子どもは何もできなくなる?

相談者ご夫妻は、お母様の家の近くに住んでいます。
日常の見守りはできているものの、将来、判断能力が低下した場合のことが不安でした。

・介護が必要になったらどうするのか

・施設に入る費用はどう工面するのか

・必要になったら、この家を売却できるのか

実は、親の判断能力が低下すると、子どもであっても自宅を売ることはできません。
よく耳にする「認知症になったら何もできなくなる」という状況です。

この点をご説明すると、ご夫妻は静かにうなずかれました。

「父の相続で大変だったから、同じことは繰り返したくなくて……」


◆任意後見ではなく「家族信託」を選んだ理由

お母様の財産を守る方法として、任意後見制度と家族信託の両方をご説明しました。

・任意後見は発動した後、監督人が就き裁判所の関与が強く、柔軟な対応が難しい

・家族信託なら、信頼の下に財産管理を家族に託せることができる

ご夫妻が選ばれたのは、家族信託でした。

「母が元気な今だからこそ、母の意思で決めたい」

この言葉が、家族信託を選ぶ決定打になりました。


◆三世代にわたる“想い”をつなぐ信託設計

今回の家族信託では、次のような設計を行いました。

〇委託者・受益者:お母様

〇受託者:相談者(お母様の長男)

〇後継受託者:相談者の長男(お母様の孫)

単なる財産管理ではなく、

「この家とお金を、どのように使い、誰につないでいくのか」

ご家族の想いを丁寧に言葉にして、契約書に落とし込みました。

打ち合わせの中で、お母様はこうおっしゃいました。

「私が分からなくなっても、あの子たちが困らないようにしたいの」


◆家族信託は「家族の安心」を形にする制度

契約が無事に完了したあと、相談者ご夫妻はほっとした表情を見せてくださいました。

「これで、いざという時に慌てなくて済みますね」

「母にも、ちゃんと説明できて良かったです」

家族信託は、

財産を守るための制度であると同時に、家族関係を守るための仕組みでもあります。


◆同じようなお悩みをお持ちの方へ

〇親が高齢で将来が不安

〇認知症になる前に備えておきたい

〇介護費用や自宅売却の準備をしたい

〇成年後見以外の方法を知りたい

このようなお悩みをお持ちでしたら、

「まだ早い」ではなく、「今だからこそ」できる対策があります。

当事務所では、制度の説明だけでなく、

ご家族の状況やお気持ちに寄り添いながら、最適な形をご提案しています。

どうぞ、お一人で抱え込まずにご相談ください。

 

(2026年1月10日)



簡単な相続手続

簡単な相続手続について、記事監修いたしました。

これを見れば、自分で相続手続ができると思います。

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・特殊なケースの場合

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等の場合には費用はかかりますが、専門家にお願いするときっと間違いがないです。

 

KW_ 相続手続 2900

(2026年1月5日)



『円満相続ラボ』にて記事を監修させていただきました

相続・終活が「わかる」「見つかる」「解決する」
『円満相続ラボ』様にて記事を監修させていただきました。

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