女性行政書士BLOG
湯口行政書士事務所

施設見学

 お客さんと一緒に高齢者施設の見学へ。
●入居時・月額費用
●立地条件
●医療・リハビリ体制
●介護サービスの提供有無
●食事
●余暇・レクリエーション  etc.
 
データも必要ではありますが、私は明るい雰囲気やスタッフの笑顔・言葉遣いに重きを置いているので、やはり御本人に出向いていただき、肌で感じてもらうのが一番だと思ってます。
 
一昨日見学した2件は、存在意義が違う2件。
一件は一時金ありの有料老人ホーム。優雅な老後が送れること間違い無しの施設。全体的に明るく、スタッフも洗練されていた雰囲気でした。
ハード面で一番いいと思ったのは、個室のトイレです。
必要ない時は閉まっていて、必要になったらグイーンと開く。
トイレに行きたい時に少しの介助があれば、ベッドからトイレへ直ぐに移動出来るのです。これならば自立排泄を促すことが可能です。
 
2件目は一時金もなく、お手頃価格の一般的なサービス高齢者住宅。お値段が落ちるとサービスも落ちると言われないように努力されているようです。
インターホン対応であっても、入口入った時のお出迎えがあれば、更にもっと良くなりそうです。
特にどちらがいいというのはないです。その人それぞれの価値観、その時の状況にもよりますので。
ホスピタリティ-の勉強にもなりましたね、とても面白いです!また次回以降が楽しみです♪

(2020年11月27日)



危急時遺言書

先日、危急時遺言を作成し、只今遺言執行中です。

はっきり言って遺言執行に至るまでにはかなりの時間・労力を要しました。

危急時遺言はほとんど使用事例がありません。家庭裁判所でも年に数件しかないと言われました。

危急時遺言は、それだけ稀な遺言形式になります。

【危急時遺言とは】

怪我や疾病等で余命いくばくかの者が危急時遺言は、余命が幾ばくも無い方で今すぐに遺言を残さなくてはいけない場合、病気や事故 などで緊急事態となり、すぐに遺言書を作成しないと遺言者の生命が失われてしまう場合などの緊急事態に使われる遺言書の形式となります。第976条(死亡の危急に迫った者の遺言)にも規定されてます。

〈作成要件〉

①証人3人以上の立会い・・・利害関係者(未成年者・推定相続人とその配偶者及び直系血族・公証人の配偶者や4親等以内の親族など)は証人になれません!

②死亡の危急に迫った者・・・命の危険が迫っているかどうかの判定に医師の診断は必須ではありません。遺言者や関係者の判断で大丈夫です。

③遺言の趣旨を口授筆記・・・遺言者から口授を受けた内容を証人のうち1人の者が書面に筆記し、遺言者及び田の証人人閲覧または読み聞かせによって正確であることを確認させ、各証人が署名・捺印しなければなりません。口授の有無については後々の裁判で問題になることも少なくありません。過去の判例では「ただ頷くだけでは口授したと認められない」「さりとて遺言者が全てを後述するのは現実的ではない」「特定の事柄について意思表示を示したことが明確」といった見解が示されています。口授に関しては過去の判例を参考にしつつ、後日効力が問題とされないよう慎重な判断が求められるのです。

④遺言者が口がきけない場合・・・遺言者は証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、口授に代えなければいけません

⑤遺言の作成方法・・・パソコンによる作成も認められます。

⑥裁判所の確認・・・作成した遺言はその日から20日以内に家庭裁判所の確認を得なければ、その効力を生じません。

【経緯】

もともとは「明日、自筆証書遺言を作成したい」と遺言者の御家族から依頼があり、容体次第では自筆は難しいので公正証書遺言をお薦めしていました。

実は遺言者には内縁の妻がおり、決して仲が悪いわけではないが、その妻に知られて婚姻届を出されてしまうと先祖代々引継いできた不動産まで相続されてしまうので、先方に悟られて動かれないように作成したいとの意向でした。

最小限の文字数で案をお作りしたものの、やはり御本人にはもはや書く力は残っておらず、あとは危急時遺言を考えるのみとなりました。

後日、私以外の2人に証人をお願いすることができたので、案を作成して来て欲しいと連絡が入りました。

【作成段階】

私の案と遺言者とで相違点がないか確認、案を読んでいただきました。読んでいる最中にも修正が入る箇所もあり、パソコンでまとめコンビニでプリントアウトし、私を含む3人の証人が署名・捺印し、原本は弊所で保管することとしました。

この日は自筆証書遺言作成時と違い、遺言者に読む力があったのが救いでした。

【家庭裁判所への確認請求】

作成後、1週間経たないうちに家庭裁判所へ確認請求をしに行き、家庭裁判所の調査官が遺言者に会う話になっていたが、それを待たずに遺言者が死亡することとなりました。

本人の真意を確認できなかったこともあり、ここから回答書・照会書・陳述書の提出が始まりました。時期をずらし、①が提出し終わったら②、②が提出し終わったら③と、確認の審判が下りるまでとても時間がかかりました。

①証人であり遺言執行者である私の回答書

②他の証人の照会書

③法定相続人の陳述書

【遺言書の検認手続き】

確認の審判が下りた後、それで終わりではなく、民法1004条に規定されている遺言書の検認手続きをせねばなりません。検認の手続きとは、確かに遺言はあったんだと遺言書の存在を明確にして偽造されることを防ぐための手続きです。

検認手続きの流れは、家庭裁判所が遺言書を開封して、用紙、日付、筆跡、訂正箇所の署名や捺印の状況や遺言書の内容を確認してから検認調書を作成します。

検認当日に立ち会うことができなかった相続人や利害関係者に対しては、家庭裁判所での検認手続きが終了したことが通知されます。

 

こうしてやっと危急時遺言・審判書を使用しながら金融機関の相続手続を進めることが出来るようになりました。

遺言者の意向に沿って手続きが出来るようになったことで、ひとまずは一安心です。

 

 

(2020年4月24日)



「精神疾患がある方に上手に住居を貸す方法」~Part3

私が参加している勉強会主催で、「不動産会社が精神疾患がある方に住居を貸しがたい理由

に関するアンケート」を不動産会社に対して行い、その結果が出ました。

1.貸しがたい理由として

〇一般の住居人とのトラブル回避

〇会社としてイメージダウンに繋がる可能性がある

〇精神疾患がある住居人の生活面の不安

・建物や集金の管理はできても、生活の管理はできない

・掃除が行き届かない人が多い

敷金ではまかないきれないことが多い

〇対応が大変なわりに利益が少ない

 

2.どのような対応を取れば、貸すことが可能になるか

〇グループホームやサブリース(一棟丸ごと借り上げ)等であれば

〇困ったときの窓口の一本化

〇定期的な訪問、掃除やごみ捨てなどのサポート

〇孤独死防止のシステム導入

〇主治医と不動産屋が話す機会を設ける

 

以上がアンケートから不動産業者の声を拾ったものになります。

不動産業者が積極的とまでは言えなくても精神疾患がある方に部屋を貸してくれる為には、

2.の対策を行っていく必要があるのはごもっともですが、そもそも1.に上がっている

貸しがたい理由自体が精神疾患がある方への謝った認識である可能性も否定できません。

 

そこで勉強会では

①精神疾患がある方に実際に起こりうる課題と対処法、地元の支援機関

②住民の不安を解く情報

③精神疾患がありながらも単身生活を送る方の体験談等

を提示するセミナー、不動産会社と精神疾患がある方とが情報交換する場としてのセミナー

を開催するに至りました。

まずはセミナーを通して不動産会社と精神疾患がある方とがお互いに理解し合って、

私達が目指すところのサポート付一般住居へ一歩でも近づいて行けたら幸いです。

 

 

(2020年3月31日)



「精神疾患がある方に上手に住居を貸す方法」セミナーに参加して~PART2~

前回に引き続き、「精神疾患がある方に上手に住居を貸す方法」セミナーとそれまでの勉強会の復習を兼ねて纏めてみました。

今回は「長期入院患者の地域移行のために必要な施策」を考えることで、なぜ「精神疾患がある方に上手に住居を貸す方法」まで考えなくてはならないのかを検討してみます。

まず、入院患者が地域移行するための要素として時系列で辿っていくと

①精神科病院の理解・協力、

②移行(退院)時の支援が整っていること

③地域移行後の支援が考えられます。

いわゆる地域移行支援としては、③の表面的なことに注目が行き、その手前の①・②になかなか目が行き届きません。①・②が円滑に進む見通しが立つと③の解決にもいい影響を及ぼすので、①・②もしっかりと考えねばなりません。この②の中に住居探し・確保が含まれるのです。

住居探し・確保の現行制度の現状と課題としては、

○1年以上の長期入院のうち14パーセントは退院可能とされ、退院困難者の中でも3分の1は居住や地域移行のための支援がないため退院が困難とされている。

○強引に地域移行を進めればアメリカのように、結果的にオームレスになる精神障害者が増える恐れがある。

○住宅市場をみると既存の賃貸住宅を活用するか、空き家(公共施設等を含む)のリノベーションにより住宅量を確保できる。

○新たな施設、福祉的住居の創設による対応は地域移行とは言えない。

○精神疾患がある方の生活上の課題や家賃負担能力などを心配し、不動産や大家が長期入院患者と直接、賃貸借契約を結ぶことを拒むことが多い。

○長期入院患者に貸与可能な民間賃貸住宅に関する情報を一覧できる仕組みはなく、患者の好みに関係なく貸してくれる物件に地域移行せざるを得ない。グループホームや社会復帰施設から一般住居へ転居するプロセスについても同じ。

○精神科病院が地域移行に熱心であっても、住居探しに成功しない場合は成果が得らないので挑戦できず、経営的にも地域移行は検討しがたい。

○国や自治体は、地域移行の実現に結びつくとは限らない地域移行支援の取組に対して予算を確保することは難しい。

等が上がります。

そこで私達は精神障害者の方に住居を貸すことに否定的な大家・物件管理会社・不動産屋・ネットワークが存在するという実情・否定的に考える理由を的確に把握するべく、アンケートを実施することとしました。

アンケートの結果と、そこから表題のセミナーを開催するまでの経緯・セミナーを開催した後の課題・今後の展開については次回に回すこととします。

(2020年2月15日)



「精神疾患がある方に上手に住居を貸す方法」セミナーに参加して

前から何回か調布と大手町で開かれている「サポート付一般住居勉強会」に参加してきました。その延長線上で不動産屋向けのセミナーをしましょうという話になり、私はそのお手伝いをさせていただきました。

今までの復習も兼ねて、全3回の投稿に纏めてみようと思います。

そもそも「サポート付一般住居」とは何かということになります。精神障害がある方がアメリカで実践例のある「サポート付一般住居プログラム」というプログラムに基づいて確保された住居のことを言います。

プログラムの根底には、精神障害がある人もない人も同じ権利と責任を伴い、自分の家で暮らすことができるように、また精神障害がある人が必要なサービスを自分で選べるように支援することが必要であるという哲学があります。

更にそこから派生して6つの原則があります。

①住居が選択できること

②住居とサービスとが機能的に分離していること

③住居が人並みで安全かつ手頃であること

④住居が地域に統合されていること

⑤住居の利用が開かれていること

⑥柔軟かつ自発的でリカバリー思考のサービスが提供されること

上記6つの原則に沿って、例えばプログラム内では個別相談・住居の調整管理人、プログラム外では専門職訪問による支援・地域の支え合いを調整し、充実させることにより、本人を取り巻く包括的なサポートを行っていきます。

では、包括的なサポートをするには誰が必要かが出揃ったところで、プログラムを実現するためにどこに助成をするべきかが問題になってきます。地域の既存の住宅量を把握・分析し、最適な政策を判断することにより、いくつかの実現方法が考えられます。

①住人への助成(テナント・ベース)  

 ・自治体:住人へ家賃補助券を交付。住人:不動産屋へ「家賃+家賃補助券」を支払う。不動産屋:自治体へ家賃補助権を提出し、換金する。

 ・住宅を選びやすいが、協力してくれる不動産屋が少ない。

②建物への助成(プロジェクト・ベース)

 ・住宅要配慮者が一定割合以上、住まうことができる住宅の建設あるいはリノベーション時にかかる費用を助成。

 ・開発に時間と費用がかかるが、長期の利用が可能となりやすい。

③法人への助成(スポンサー・ベース)

 ・住宅要配慮者に住宅を提供する法人に助成。法人は助成を活用し、任意の住宅を建設またはリノベーションあるいは賃貸する。

助成に関しては上記3つの方法があるわけですが、一般住居プログラムの6原則に照らし合わせると、①が理想である気がします。

実際の事例として、精神障害と薬物依存症の重複障害があるホームレス向けプログラムにおいて、修繕をサービスで行う等により民間家主との信頼関係を構築するとともに家賃を本人に助成し、住居を見つける支援を提供した事例があります。

シリーズ第1回はこれまで。次回は、長期入院患者の地域移行のために必要な施策を考えてみたいと思います。

(2020年1月29日)



若年性認知症家族会セミナー

若年性認知症の家族会にお招きいただき、簡単な家族信託のセミナーをさせてもらいました。

家族信託=認知症対策、でも本人が認知症になっているのに?真っ先に疑問が沸いてきます。

私もこのお話をいただいた直後は、当日いらっしゃる方の症状も年齢もわからず戸惑いました。果たして家族信託を結べる方がいらっしゃるのだろうかと。そのため想定されるいろいろなパターンの家族信託の型を資料に挙げて臨みました。

まず、若年性認知症とは65才未満で発症する認知症のことです。平均発症年齢は51才とのこと。仕事や生活に支障をきたすようになっても、まさか自分が認知症とは思わず、鬱病や更年期障害と間違われることも多いようです。若年性認知症の場合も高齢者の認知症と同じく記憶障害がメインですが、うまくごまかすこともできますし、周りも認知症の症状とは思わず、「仕事ができない」「集中力に欠ける」と判断される場合が多いようです。御本人にとっては、さぞかし辛いことでしょう。

高齢者の認知症では一番の原因としてアルツハイマー病が上がりますが、若年性認知症の場合は血管性認知症が最も多く、また近年注目されている前頭側頭型認知症が多いのが特徴です。

アルツハイマー病:脳の神経細胞が徐々に減って、正常に働かなくなる病気

血管性認知症:脳卒中(脳梗塞や脳出血)等が原因となる認知症

前頭側頭型認知症:脳の前方(前頭葉、側頭葉)が縮むことが原因となる認知症

また高齢者の認知症は圧倒的に女性が多いですが、若年性認知症では男性が少し多く、4:6の割合のようです。

問題点としては、

1.経済的負担が大きい(働き盛りであり、一家の大黒柱である)

2.主介護者が配偶者に集中する(子供がまだ小さい)

3.複数介護となる可能性(自分の親・配偶者の親の介護が加わる場合も)

4.高齢の親が介護者(本人に配偶者がいない場合)

などが大きく上がります。このように症状や問題点を少し比較しただけでも高齢者の認知症と若年性の認知症は全く違います。

今回は家族信託の話をということでしたが、財産管理の制度自体も高齢の認知症の方と若年性認知症の方とでは違った切り口で考えて行く必要があると感じました。

(※写真撮影が難しかったので、写真はチラシと資料の表紙です)

(2020年1月21日)



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