〇親が高齢で将来が不安
〇認知症になる前に備えておきたい
〇介護費用や自宅売却の準備をしたい
〇成年後見以外の方法を知りたい
このようなお悩みをお持ちでしたら、
「まだ早い」ではなく、「今だからこそ」できる対策があります。
当事務所では、制度の説明だけでなく、
ご家族の状況やお気持ちに寄り添いながら、最適な形をご提案しています。
どうぞ、お一人で抱え込まずにご相談ください。

ご相談に来られたのは、50代のご夫婦でした。
少し疲れた表情の奥に、「今のうちに何かしておかなければ」という切実な思いが感じられました。
数か月前、ご主人のお父様が87歳で亡くなられたばかり。
長年連れ添った奥様(85歳)は、大きな喪失感の中で一人暮らしを続けておられます。
「今は元気なんですが、年齢を考えると……」
そう言って言葉を切られたご主人の表情が、とても印象的でした。
相談者ご夫妻は、お母様の家の近くに住んでいます。
日常の見守りはできているものの、将来、判断能力が低下した場合のことが不安でした。
・介護が必要になったらどうするのか
・施設に入る費用はどう工面するのか
・必要になったら、この家を売却できるのか
実は、親の判断能力が低下すると、子どもであっても自宅を売ることはできません。
よく耳にする「認知症になったら何もできなくなる」という状況です。
この点をご説明すると、ご夫妻は静かにうなずかれました。
「父の相続で大変だったから、同じことは繰り返したくなくて……」
お母様の財産を守る方法として、任意後見制度と家族信託の両方をご説明しました。
・任意後見は発動した後、監督人が就き裁判所の関与が強く、柔軟な対応が難しい
・家族信託なら、信頼の下に財産管理を家族に託せることができる
ご夫妻が選ばれたのは、家族信託でした。
「母が元気な今だからこそ、母の意思で決めたい」
この言葉が、家族信託を選ぶ決定打になりました。
今回の家族信託では、次のような設計を行いました。
〇委託者・受益者:お母様
〇受託者:相談者(お母様の長男)
〇後継受託者:相談者の長男(お母様の孫)
単なる財産管理ではなく、
「この家とお金を、どのように使い、誰につないでいくのか」
ご家族の想いを丁寧に言葉にして、契約書に落とし込みました。
打ち合わせの中で、お母様はこうおっしゃいました。
「私が分からなくなっても、あの子たちが困らないようにしたいの」
契約が無事に完了したあと、相談者ご夫妻はほっとした表情を見せてくださいました。
「これで、いざという時に慌てなくて済みますね」
「母にも、ちゃんと説明できて良かったです」
家族信託は、
財産を守るための制度であると同時に、家族関係を守るための仕組みでもあります。
(2026年1月10日)
『私がいなくなったあと、この子は…』〜 親なきあと問題に向き合った82歳母の選択〜
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